石川県珠洲市蛸島村で1914年に創業した『櫻田酒造』。作られる日本酒の9割は珠洲市で飲まれ、地元の人たちに愛される日本酒を作り続けてきた家族経営の酒蔵です。しかし、今回の地震で100年以上続く『櫻田酒造』は甚大な被害を受けます。自宅を含めた建物は全壊、醸造に必要な水も設備も失われました。そんな絶望的な状況の中でも『櫻田酒造』の櫻田さんは、珠洲の地で再建する決意をされます。櫻田さんの背中を押したのは、たくさんの方からの支援と、奇跡的に残っていた「桃花鳥(とうかちょう)」でした。酒蔵は倒壊し、瓦礫の山の中でなんとか探し出した冷蔵庫の鍵。その扉の向こうに1本も割れずに残っていた500本の一升瓶が、今回のクラウドファンディングの返礼品となります。「桃花鳥」は、珠洲市に拠点を構える『アステナグループ』と共同で酒米からこだわって栽培した純米大吟醸。農薬を用いない農法により育てた「さくら福姫」という新種の酒米を使用しています。珠洲市の農家がICTやロボット技術を用いて生産する最新のアグリテックを活用。雑草が生えないようにアイガモロボが田んぼ動き回る様子や、たわわに実った黄金色の稲穂を櫻田さんも見ていたそうです。そんなさくら福姫で造った「純米大吟醸」は、大吟醸の華やかさと、しっかりとした旨味が感じられるお酒に仕上がっています。地震により電源の喪失はあったものの、能登の厳しい寒さが日本酒を守り、低温熟成は進んでいるとのこと。大自然の厳しさと優しさを同時に感じます。あきらめずに前を向く櫻田さんの写真は、どれも笑顔のものばかり。「この写真を見ると勇気が湧いてくる」「元気をもらえる」とのコメントも数多く寄せられています。櫻田酒造で醸造された最後の純米大吟醸「桃花鳥」。復興への祈りを込めて応援してみてはいかがでしょうか。■プロジェクトの詳細はこちら※記事は2024年3月25日作