新商品のデビュー応援サイト「Makuake」で、「池月」を醸す『鳥屋酒造』のプロジェクトが公開された。応援を募る「名前のない酒」は、震災前に仕込んだ新商品の酒。「もっと能登の魅力を知っていただきたい。この町を元気にしたい」。そんな思いから、水も、米も、人も、ラベルも「オール中能登」の酒を作ろうと、「中能登の魅力を強く発信する」をテーマにしたこだわりの酒造りに取り組んでいた。仕込み水は酒蔵のそばにある眉丈山からの伏流水。100年一度も枯れることなく混々と湧き出でる柔らかな軟水だ。酒米には、眉丈山の中腹で穫れる「はなみずき」を使用。心白が大きく、蒸しあげることで旨みが出てくる米で、杜氏も仕込んでワクワクしたという。能登杜氏・柳矢健清さんより「センス、こだわり、味への感度何もかもが抜群」と言われている50代の若き杜氏が中心となって酒造りを進めた。なお、「能登杜氏」は、越後、但馬、南部と並び、四大杜氏と称される存在だ。こだわり抜いた材料を使いての挑戦ゆえ、用意できるのは仕込んだ分の、わずか限定400本。能登の人たちの思いが一本になった希少な酒だ。リターン商品には、このまだ名前のない「オール中能登の酒」と池月のセットや、非売品の前掛けやTシャツとのセットもある。元々「池月」は特約店でしか購入できず、日本酒ラバーの間ではなかなか口にできない日本酒としても有名。その「池月」の純米や「みなもに浮かぶ月」などを応援購入できるのも魅力だ。能登半島地震により能登半島一帯が大きな被害を被った。震源地の近くは復旧に困難を極める場所や事業者も多く、国や県からの支援の優先度は高くなっている。酒蔵が多い土地であることから、「日本酒支援」の動きもさまざまに取られている。しかし、一方、中能登の『鳥屋酒造』は、大きな揺れが大切に醸し、出荷を待つばかりの500本もの大吟醸をはじめとする酒が破損し、酒造りや経営に支障をきたす状況を招いたものの、「全壊」や「再開の目処が立たない」という状況になく、一切の支援がない。売るものはわずかとなり、酒造りに欠かせない窯に亀裂が入り、仕込みをするための米も買えず、杜氏や職人への給与も出せない。心が折れそうになる中、社長の田中さんを奮い立たせたのが、2024年の新商品として仕込んでいた「オール中能登の酒」だった。酒米も、水も、人もすべてが地元中能登。まだ名前もついていない、ラベルも決まっていないこの酒がきらきらゆらめく様を見て、「まだやれる。創業から115年続いた味を、絶やすわけにはいかない」と決意した。開始わずかから注目を集め、順調に応援を伸ばしている。まだ誰も飲んだことのない「オール中能登の酒」で復興を目指す田中さんの物語は「Makuake」にて。「鳥屋酒造」石川県鹿島郡中能登町一青ケ96電話番号/0767–74−0013https://ikezuki.net/