創業明治41年の鍛冶屋『ふくべ鍛冶』。自然豊かな奥能登で、輪島塗職人や海女さんの道具、水産加工業者が使う包丁や貝開けなど、地域特有の道具の製造・修理しています。令和6年1月に発生した能登半島地震により、店舗、設備、従業員の家が半壊・全壊し、商品や道具が壊れてしまうなどの大きな被害を受けました。しかし「できるだけ早く地域内外の経済活動を回し、事業再建を目指す姿を見せることが、奥能登の復興につながるのでは」と考えた代表の干場さんは、いち早くクラウドファンディングをスタート。包丁の宅配修理サービス「ポチスパ」にて応援を募り、540万円超を達成、1,000人以上の方から応援をしてもらったといいます。干場さんはポチスパでの体験を経て、「修理事業を発展させることができれば、復興の糸口をつかめずにいる能登の事業者の助けになるのではないか」と考えました。そして今回新たに、能登復興のための新事業「リペアクラウド」を立ち上げます。リペア(repair)とは修理のこと。「愛着のある品物を使い続けたい」と願う人に向けたサービスのプラットフォームを構築し、能登の復興を推し進めるのが今回の応援プロジェクトの目的です。応援購入のリターン品は、『ふくべ鍛冶』の「ポチスパ(包丁研ぎ宅配サービス)」、『田谷漆器店』の「輪島塗等のお椀、マグカップ、ぐい呑みの修理」、『杉本木工々房』の「まな板修理」です。輪島の「田谷漆器店」は、創業文政元年(1818)の老舗漆器店。アメリカ合衆国のバイデン大統領夫妻に贈られた「輪島塗のコーヒーカップとボールペンを手掛けたお店」といえば、聞いたことがある方も多いかもしれません。新しく建設していたオープン間近の輪島のギャラリーは震災による火災で焼失。輪島塗産業が途絶えてしまう危機に直面したといいます。しかし「一日も早く仕事がしたい」「私たちは、直しもんのプロ。どんな産地の木製漆器も蘇らせます」と語る職人さんたちの技術と経験は本物。「思い出の品を直してほしい」という依頼に、これまでの途絶えた時間を蘇らせようと、全力で応え続けています。「直せるものは直して末長く使う」をモットーに掲げる輪島の『杉本木工々房』。メイン事業の「まな板削り直しサービス」が好評を得ていました。2023年4月に東京から輪島に移住した後、震災が発生。店舗兼自宅は全壊、事業の継続も一度は諦めたそうです。しかし地元や全国の方から「続けてほしい」と応援を受け、輪島で再スタートを決意。「愛着あるまな板を、新品同様に。手入れして使うという美徳を繋ぎたい」と語る杉本さん。被災してなお、「能登が大好き。ここを離れたくない」と一歩ずつ前に進まれています。今回のプロジェクトは、大成功をおさめた「ポチスパ」のシステムを活用し、修理プラットフォーム「リペアクラウド」を構築することが目的です。形あるものは、いつか壊れます。しかし、それらを使い捨てにするのではなく、手を入れ、修復することで、さらなる愛着が湧くはずです。その修復には、職人の技術と長年培った経験が必要となります。一度途絶えたノウハウを取り戻すことは難しい。能登には後世に残していくべき日本の伝統産業と職人技術があります。まずは、包丁、漆器(お椀、マグカップ、ぐい呑み)、まな板のリペアからスタートする修復事業「リペアクラウド」。気になる方は詳細をチェック。「Makuake(マクアケ)」プロジェクトの詳細はこちら